私が小学生の頃は
ほとんどの道は
舗装されていませんでした。
田んぼの あぜ道のような
学校までの 道のりは
私にとって 誘惑の多い
魅力的な道でした
道に埋まっていた
大小さまざまな 石ころや
変わったカタチの 木の枝は
私の宝物になりました
雨が降れば 水たまりができ
天気の良い日が 続けば
砂ぼこりが舞う
水たまりには 空が写り
小石を落としてみたくなる
砂ぼこりが舞うと
なんだかドキドキして
目をつぶって ニヤリとする
放し飼いのニワトリや
長い鎖につながれたイヌは
こわくて怖くて しかたなかったけど
思い出がたくさんの道でした
【この道】
この道はいつか来た道
ああ そうだよ
あかしやの花が咲いてる
あの丘はいつか見た丘
ああ そうだよ
ほら 白い時計台だよ
この道はいつか来た道
ああ そうだよ
お母さまと馬車で行ったよ
あの雲も いつか見た雲
ああ そうだよ
山査子(さんざし)の
枝も垂(た)れてる